2023/09/20 12:05

Cordeliaでは定期的にビンテージカンタキルトを扱っています。もともと、このお店を始めたきっかけがこのキルトであり、カンタキルトをできるだけ手に入りやすい価格で提供したい、という想いでお店を運営しています。カンタキルトとは何なのか、ここで詳しくご説明します。

カンタキルトの歴史
「カンタキルト」は、インドに古くから存在する手縫いのキルトです。生まれたのは東インドのベンガル地方で、その歴史は500年以上前に遡ります。インド以外にも、パキスタンやバングラデシュでも作られています。
インド綿の布、女性用のサリー、男性用のドーティといった衣装を縫い合わせて、パッチワーク状にしたり、二枚重ねにしてキルトとして生まれ変わらせることが多いです。サリーの生地から抜いた糸を使い、細かいステッチで布を丁寧に縫い合わせます。多大な労力と時間ががかかりますが、最終的には非常に丈夫で、長く使える、保温性にも優れたキルトが完成します。カンタキルトは、家庭の幸福と健康を象徴する手作りの布で、世代を超えて愛されています。

カンタキルトとラリーキルト
カンタキルトは別名「ラリーキルト」とも呼ばれています。日本では、ラリーキルトという名称の方が有名かもしれません。基本的には同じものを指しています。
「ラリー」とは、親から子へ「繋いでいく」という意味があります。遊牧民たちの家庭では、キルトを母親が娘に愛情をこめて作る場合も多く、しばしば嫁入り道具として扱われています。
キルトはお嫁に行く娘の幸せと健康を願って作られ、新しい生活の中で多様な使い方ができるよう、丈夫さのような実用性だけでなく、デザイン的な美しさも兼ね備えています。使っている中で穴が空いたりした場合は、継当てで新しい布を縫い付けて使います。

カンタキルトとインド綿
カンタキルトは基本的にインド綿でできています。インド綿は、洗うと徐々に柔らかくなるのが特徴です。ガーゼのような柔らかい織り方をしているものもありますが、そうでないものも、洗っているうちに柔らかくなってきます。他の生地を混ぜることがないため、お洗濯などの扱い方はとてもシンプルです。

カンタキルトの種類
ビンテージキルトには、全面に刺繍が入っているデザインや、たくさんの布をつなぎ合わせたパッチワーク状のデザイン、大きな布を細かく縫い合わせるだけのシンプルなデザイン、キルトの上からインディゴ染めを施したデザインなど、実に様々なカンタキルトがあります。破れた部分に新しい布を当てる際も、デザインを考えて鮮やかな色の布を当てることが多いようです。

Cordeliaでは、大きく「新品のカンタキルト」と「ビンテージカンタキルト」を扱っています。新品のものは布をリサイクルしたビンテージとは異なり、基本的に新しい布を二枚合わせにしたものになります。パッチワークなどの継ぎは無く、縫い目はざっくりと粗く、ベビーキルトの場合は、二枚の間にコットンを挟んでいるため、柔らかくフワフワとした肌触りになります。


【新品のカンタキルト】





【ビンテージカンタキルト】


カンタキルトのステッチ、布の種類
布の強度を増すために、カンタキルトは非常に細かいステッチで布と布を縫い合わせています。そのため、基本的にはリバーシブルの布になっています。ステッチは非常に細かいものから、ざっくりと粗いものまで色々であり、糸の太さもキルトごとに違います。好みの風合いのステッチを選んでください。


【パッチワークタイプのキルト】

【刺繍が入ったキルト】